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【子育て×アドラー】叱ってはいけない、ほめてもいけない子育て


子育てをする際、「叱る子育て」と「ほめる子育て」のどちらがいいか?という議論はいつの時代もありますよね。ところで叱る子育てとほめる子育て、どちらがいいのでしょうか?アドラー心理学では叱ることもほめることも認めていません。それはなぜでしょうか?叱らない、ほめないとするなら、どうすればいいのでしょうか?今回は「叱らない、ほめない子育て」について考えていきたいと思います。

怒ると叱るは同じ意味

怒ると叱るはどういう違いがあるのでしょうか?よく言われる定義はこのようなものがあります。

  • 怒る:感情的に怒鳴ること。
  • 叱る:感情的にならずいけないことを注意すること。

しかし、広辞苑では「怒る」の意味に「叱る」という意味が掲載されています。つまり明確な違いはないのです。また『幸せになる勇気』には怒ると叱るについてこのようなことが書いてあります。

暴力的な「力」の行使によって相手を押さえつけようとしている事実には、なんら変わりがありません。

引用:幸せになる勇気

つまり怒ることも叱ることも「力」で子どもを押さえつけようとしていることには変わりありません。

なぜ叱ってはいけない?

では怒ると叱るの関係性についてわかったとして、なぜ叱ってはいけないのでしょうか?

叱るという行為は、子ども達と言葉でコミュニケーションすることを煩わしく思い、手っ取り早く屈服させようとしています。つまり、叱責を含む「暴力」は、人間としての未熟さを露呈するコミュニケーションなのです。ここでも本の一節を引用してみましょう。

怒りや暴力を伴うコミュニケーションには、尊敬が存在しない。それどころか軽蔑を招く。叱責が本質的な改善につながらないことは、自明の理なのです。ここからアドラーは「怒りとは、人と人を引き離す感情である」と語っています。

引用:幸せになる勇気

距離のある人からの言葉は人の心に届きません。それと一緒で、親と子も「叱る」という行為によって距離ができてしまい、うまく意思疎通ができなくなってしまうのです。うまく意思疎通ができなくなってしまうとどうなるか・・・想像できますよね。子どもはたとえ正しいことを言っていても(正論を言えばいうほど)反抗するようになります。

なぜほめてはいけないの?

では逆になぜ「ほめてはいけない」のでしょうか?ここで「ほめる」という行為について考えていきたいと思います。

子どもをほめる場面は勉強ができた時、お手伝いしてくれた時などいろいろありますよね。ほめると子どもは喜ぶし、もっとお手伝いをしてくれる。大人もお手伝いをしてくれるようになったら助かるし、お互いにとっていい関係のように見えます。

しかし、ほめられることである問題が生じます。それは「ほめられることを目的として何かをするようになる」ということです。子どもは大人にほめられるとどんどんお手伝いをしてくれるようになります。しかし、逆にほめられないとどうなるでしょうか?ほめられないならやらないという状況になってしまします。

また、ほめるという行為には「能力のある人が、能力のない人に下す評価」という側面があります。自分が食器を洗っていた時に夫が「よくできたね」と言ってきたらなんだかムッとしませんか?それは「ほめる」という行為自体に自分よりも能力の劣る相手を操作するという意味が含まれているからです。

ほめてもらいたいから勉強する。
ほめてもらいたいからお手伝いする。
ほめてもらいたいからゴミを拾う。

その時子どもはどうなるか。人の評価に自分を合わそうとして手段を選ばなくなるのです。

「縦の関係」ではなく「横の関係」を築こう

ここまで叱ることとほめることについて考えてきました。「叱ること・ほめることのデメリットはわかったけれど、どう接していったらいいの?」と思いますよね。ここで重要となってくるのが「横の関係」という考え方です。

叱る・ほめる共に「縦の関係」つまり親が子どものことを下に見ているから出てくる言動だということはわかってきたと思います。会社の同僚に仕事を手伝ってもらって「よくできたね」と言わないように、夫が食器を洗っている時に「えらいね」と言わないように、「横の関係」でつながっている人には使わない言葉を親子間では度々使います。

それは「縦の関係」でつながっているからに他なりません。親子であっても(全ての対人関係において)「横の関係」を築いていく必要があります。つまり「同じではないけれど対等」という関係です。

「勉強しなさい!」
「早く寝なさい!」

これらの働きかけも相手を低く見ているからこそ出てくる発言です。横の関係を築けていたらこのようなことにはならないでしょう。まずはこの「横の関係」を築くところから始めましょう。

 

最後に

  1. 怒ると叱るは一緒。「力」で押さえつけるのはやめよう。
  2. 叱責は、人間としての未熟さを露呈するコミュニケーション。今日からやめよう!
  3. ほめるということは能力のある人が、能力のない人に下す評価。ほめられて育った子は人の評価に自分を合わせようとして手段を選ばなくなる。
  4. 「横の関係」を築くことで親子間の距離を程よいものにしよう。

叱る・ほめる・叱らない・ほめない。これは子育てにおいて永遠のテーマなのかもしれません。次回は「叱るとどのような問題が生じるのか」について詳しく考えていきたいと思います。

 

《参考図書》
嫌われる勇気
幸せになる勇気
高校生のための心理学入門


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